いよいよ来年の2024年の1月より新NISA制度が開始となります。
これを機にNISAを始めようとしている方も多いかと思いますが、始めるにあたって新NISA制度について様々な疑問を持たれているのではないでしょうか?
そういった方に向けて、シリーズ企画として不定期で新NISAに関するよくある疑問について取り上げていこうと思います。
第ニ弾は、ロボアドバイザーで新NISAをするのはアリかということについて取り上げます。投資初心者でもほったらかし投資ができるため人気のロボアドバイザーですが、新NISAをロボアドバイザーで行う際に想定されるメリットとデメリットについて考えてみようと思います。
新NISA対応のロボアドバイザーは?
まずは、新NISA対応のロボアドバイザーサービスにはどのようなものがあるか見てみましょう。
ただ現時点(23年7月時点)では、新NISA対応準備をしているサービスはいくつか報道されていますが、実際に新NISAに対応するかどうか正式発表がされたサービスはないため、現在NISAやつみたてNISAに対応しているサービスが新NISAにも対応する可能性が高いという想定で、現在のNISA制度に対応しているサービスを見てみましょう。
サービス名 | NISA対応 | 特徴 |
SUSTEN | つみたてNISA | 完全成果報酬型の手数料サービス |
ウェルスナビ | NISA | 預かり資産・運用者数国内1位 |
投信工房 | NISA・つみたてNISA | 全自動ではなく助言型のサービスで手数料が安い |
らくらく投資 | NISA・つみたてNISA | 楽天ポイントが貯まる・100円からの少額投資可 |
SMBCロボアドバイザー | NISA・つみたてNISA | 三井住友銀行の口座があれば手軽に始められる |
上記5つのサービスが現在のNISA制度に対応しているサービスです。
個々に様々な特徴がありますが、共通しているのは「銘柄選びの手間がない」「毎月少額からコツコツ投資ができる」という点です。
そういった意味では資金の余力と投資経験が少ない、若年層の方にはいずれのロボアドバイザーサービスも便利なサービスだといえるでしょう。
では、ロボアドバイザーサービスで新NISAを行うことの具体的なメリット・デメリットを見てみましょう。
新NISAをロボアドバイザーで行うメリット・デメリット
私が考える新NISAをロボアドで行うメリット・デメリットは以下のものです。
メリット
①最初の銘柄選び・リバランスに悩まない
②投資初心者でもすぐに始められる
デメリット
①コストが高い
②運用している銘柄の中身が分からない
➂投資できる銘柄が限られる
1つずつ見ていきましょう
メリット① 最初の銘柄選び・リバランスに悩まない
ロボアドバイザーサービスの一番のメリットは先ほども触れたように、銘柄選びの手間がないことです。
新NISAは非課税期間が無期限になったことで、ほとんどの人の運用期間が長期化することが想定されています。運用期間が長期化すれば当然、経済の状況が一変するようなイベントは何度も経験することになります。(リーマンショックも東日本大震災もコロナショックもウクライナ問題も、たった20年間の間に起きた出来事なのです。)
そんな時に仕事が忙しい方や、投資のことについて詳しくない方にとっては、銘柄選びやリバランスを行ってくれるロボアドバイザーは非常に便利なツールであり、精神的な不安を感じずに投資を継続しやすくなる点はメリットだといえるでしょう
メリット② 投資初心者でもすぐに始められる
新NISAは基本的に、一度始めると長期間運用を継続することが望ましいとされる制度です。
ですが、投資初心者の方にとって投資とは、先ほど触れた銘柄選びだけでなく、運用の見通し予測や、つみたてのペース配分、暴落時の対応の仕方など、考えることがとにかくたくさんある非常に敷居の高いものになり、「投資について少し勉強してから新NISAを始めたほうがいいんじゃないか?」など、新NISAを始めることをためらってしまうことが多いです。
しかし、もともと投資初心者をメインターゲットとしているロボアドバイザーサービスであれば、新NISAを始めるときも、始めた後も定期的にアドバイスを丁寧にくれるなど、投資初心者に対する手厚いフォロー体制が確立されているサービスがほとんどなので、「とにかく新NISAを始めたい!」という方はロボアドバイザーサービスで新NISAを始めるのが良いと思います。
また、別記事でも触れましたが、新NISAにおいて一番重要なことは、運用期間をより長くして、複利効果を最大化することであり、ロボアドバイザーが投資初心者の新NISAを始めることに対する躊躇をなくすことができる点は大きなメリットだと思います。
デメリット① コストが高い
では、デメリットはどうでしょうか?
私が思う一番のデメリットはやはりコストが高いということです。
この点については、新NISAに限らずロボアドバイザーサービス全般でデメリットとして挙げられる要素ですが、特に新NISAは非課税枠が最大で1,800万円と高額なため、これまで少額投資なので高い手数料もそこまで気にならないとしていた人も、運用資産の増加に伴い増える手数料は見過ごせない要素になる可能性が高いと思います。
せっかくの非課税枠も、運用コスト次第で運用結果に大きな差が生まれてしまうので、ロボアドバイザーで新NISAを行うにしても、手数料の安さはサービスを選ぶうえで最も重要な要素になるかと思います。
デメリット② 運用している銘柄の中身が分からない
次に考えられるのが、ロボアドバイザーに運用を任せっきりで、今何の銘柄を運用しているのかよくわからない状況になることです。
これについて、「利益が出ているのであればどんな銘柄でも構わない」と思われる方もいるかもしれませんが、それはあくまで投資をしていない人や、まだ運用資産が少ない方の意見だと私は思います。
先ほども触れたように新NISAでは、運用資産が将来的に大きな額になります。自分が長年努力して積立してきたお金が今どんな銘柄に投資されているのか分からないというのは、非常に不安になります。
もちろん、ロボアドバイザーの後ろには金融や経済のプロがいて、その人たちがシステムの管理を行っているので、きちんとした理論に基づいた資産運用が行われているのですが、その理論を自分が知らないと、コロナショックの時のように経済全体が落ち込んだ時に、このまま投資を続けてよいのか判断ができず、不安になって売却をしてしまうなんて事態にもなりかねないのです。
このようにロボアドバイザーは便利なサービスであるがゆえに、投資家本人の意識が薄らいでしまう点は、巨額を運用する新NISAにおいてはデメリットだと思います。
デメリット③ 投資できる銘柄が限られる
最後は、ロボアドバイザーサービスで投資できる銘柄が限られてしまうという点です。
今回の新NISA制度の目玉の一つとして、「一度使用した非課税枠も、売却した翌年に再利用が可能になる」というものがあります。
これはつまり、新NISAの運用期間が長期化することに合わせて、途中で運用したい銘柄のテーマが変わった時や、より手数料の低い銘柄が登場したときなどに、非課税枠を無駄にせず乗り換えが可能になるという大きなメリットがある制度なのです。
しかし、ロボアドバイザーサービスは基本的にシステムが決められた銘柄の中から組み合わせを選ぶ性質上、選択できる銘柄の数が普通のネット証券などに比べて少ないという特徴があり、乗り換えたい銘柄を見つけても、選択できる銘柄に含まれていないという事態が起こりやすいという点はデメリットだと思います。
ロボアドは新NISAでも便利!でもデメリットも多いことを忘れずに!
今回の記事では、ロボアドバイザーにおける新NISA運用について取り上げました。
ロボアドバイザーサービスは投資初心者にとって非常に便利なサービスであり、自分の知識が不足しているから新NISAを始められないと思っている方には、ロボアドバイザーの手厚いサポートを受けながらとにかく早くから新NISAを始めることをおススメします!
ただ、ロボアドバイザーで新NISAを行うことにはデメリットも多いです。特に新NISAはその非課税枠の大きさから、ほとんどの人にとって人生を左右する資産になるため、新NISAをどの会社で行うのかは重要な問題であり、メリットデメリットをきちんと理解して口座開設を行うことを強くおススメします。
今回は「【新NISA攻略法②!】ロボアドバイザーで新NISAをするメリット・デメリットは?」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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