投資に関心が集まる近年、AIが資産運用をしてくれるロボアドバイザーサービスが急成長しています。ロボアドバイザーサービスは、手数料が高いと批評されることが多いサービスですが、投資初心者や仕事が忙しい方には手数料分のメリットがちゃんとあるサービスだと私は思っています。
今回は、その中でもオトクな制度がたくさんあるのTHEOの現在までの運用実績やメリット/デメリットについて解説し、THEOの上手な活用方法をご紹介します!
ちなみに私は、ウェルスナビとTHEOの2つのロボアドバイザーを実際に利用しています。
管理人の運用実績も公開!THEOの運用実績について
私も実際にTHEOのサービスを利用していますが、現在までのところTHEOの運用実績の面では、ウェルスナビと比較すると少し劣っていると感じます。
THEOでは、最初に以下の5つの簡単な質問に答えるだけで、利用者に合ったポートフォリオを自動で設定してくれるサービスです。
- あなたの年齢を教えてください
- 現在の年収を教えてください
- 現在の金融資産額を教えてください
- THEOへの初回投資金額を教えてください
- THEOに毎月積み立てる金額を教えてください
ウェルスナビがリスク許容度を診断していたのに対して、THEOではリスクに対する質問はなく、あくまで年齢や資金力の面からプランを診断しているというイメージです。
そのため、全体的にリスクとるような運用を行われていないようで、運用実績はウェルスナビに劣っているとよく感じます。
では、実際に管理人の運用実績を見てみましょう。
私が運用を開始したのは19年の7月で、途中コロナショックで大きく運用成績が落ち込んだ時期がありましたが、現在まで安定した運用ができてます。
ただ、 ウェルスナビの2023年4月3日の運用実績が26%に対して、THEOは16%と運用益にだいぶ差があります。
もちろん、私がウェルスナビで積立を開始したのは18年の12月で、約半年早く運用を始めているので、それが運用益の差になっている面もありますが、それでも、日々の運用状況を見る限り、ウェルスナビのほうが運用益が良い印象があります。
THEOはやめたほうがいい?メリット/デメリットは?
運用実績が劣っているのであれば、THEOは利用しないほうがいいのでしょうか?
私は、THEOはウェルスナビよりもオトクに長期で資産運用ができるサービスだと思います。
それでは、THEOのメリット/デメリットについて見てみましょう。
メリット
- 全自動で資産運用が可能
- 税負担軽減の機能がある
- 投資先がかなり分散されている
- 提携サービスが豊富(THEO+)
デメリット
- 自分で運用するより手数料が高い
- 現在の運用実績はウェルスナビに劣っている
- NISAが利用できない
- 口座管理が面倒
メリットについて
ロボアドバイザー共通のメリット
まず、THEO以外の投資一任型のロボアドバイザーに共通するメリットとして、入金さえすれば全自動で資産運用が可能という点があります。また、税負担を軽減する機能についてはウェルスナビにも実装されている機能で、THEOでも高い手数料の代わりに税金面でコストを減らすことが可能になっています。
THEO独自のメリット①投資先がかなり分散されている
そしてここからがTHEO独自のメリットですが、まずTHEOは投資先がかなり分散されています。
具体的には、私のTHEOで保有しているETFは現在20種類となっています。これは、私のウェルスナビでの保有ETFが7種類であることと比べても、かなり投資先が細分化されているといえます。
投資の世界では、「卵は一つのカゴに盛るな」という格言にあるように、投資先を分散させることでリスクを減らし、安定運用を行うことが大切になります。
ウェルスナビの倍以上の投資先を持つことは、現時点で成績の悪い資産を多く抱えてしまう場合もあり、短期的にはTHEOの運用成績がウェルスナビに劣ることにつながります。
しかし、将来どんな世界になっているかは誰にもわかりません。投資先を分散させることは長期的にみると、個々の資産の値動きを小さくする効果があり、運用手数料がウェルスナビと同じ預かり資産の1%(年率・税込1.1%)であることを考えると、THEOのほうがオトクに分散投資ができるのです。
THEO独自のメリット②提携サービスが豊富(THEO+)
また、THEOの2つ目のメリットとして、提携サービスが豊富(THEO+)というものがあります。
THEOは他の企業と提携して、運用資産額に応じて様々な特典が付与されるサービスを提供しています。(THEO+)
このTHEO+の提携先の代表的なものとしては、下記のようにdポイントやJALのマイル、銀行の振込手数料など日常的に利用できる特典が付与されるようになっています。
提携先 | 特典 |
THEO+Docomo | ドコモユーザーにおすすめ。運用資産額に合わせて毎月dポイントがもらえる。 |
THEO+JAL | JALのマイルを貯めている方におすすめ。運用資産額に合わせて毎月マイルがもらえる。 |
THEO+SBI銀行 | 月1万円からの積立で、提携金融機関のATM出金手数料が無料に。 |
このTHEO+のサービスですが、資産運用に関してはTHEOと同じ運用方針ですので、よく利用するサービスが提携先にある方はTHEO+のほうを利用するのもいいかもしれません。
こういったポイント付与サービスは、実質的に支払った手数料のポイント還元であり、将来の運用益が確定していない分、運用資産額ごとに決まったポイントを必ず受け取れるこのサービスはとてもメリットが大きく、長期運用を続けるモチベーションにもつながるとても良いサービスだと私は思います。
特にTHEO+Docomoでは運用資産額50万から自動でdポイントが付与されるようになり、ドコモ回線利用者ならポイント付与率1.5倍、さらに毎月の積立をdカード積立にするとポイントがダブルで貯まるようになります。ドコモユーザーの方であればかなりオトクに資産運用ができるサービスだと思います!
※THEOのメリットとして以前は、運用資産額に合わせて運用手数料が割引される「THEOカラーパレット」というサービスがありましたが、2023年1月1日以降の新規申し込み分からは、このカラーパレットは適用されなくなりました・・・そのため、現状THEO+のほうがTHEOよりもメリットが多いため、これからTHEOを利用しようとしている方にはTHEO+をおすすめいたします。
デメリットについて
ロボアドバイザー共通のデメリット
まず、THEO以外の投資一任型のロボアドバイザーに共通するメリットとして、自分で運用するよりも手数料が高いというものがあります。THEOの運用手数料はウェルスナビと同じ預かり資産の1%(年率・税込1.1%)です。
しかし、自分できちんと世界経済のニュースを追いながら、これらの投資先の資産配分を決める運用を続けるのはかなり大変だと思います。(特に仕事が忙しい方や投資初心者)
こういった作業を一人で行うコストと失われる時間を考えると、必要経費として納得できるレベルじゃないかなと私は思います。
THEO独自のデメリット①現在の運用実績はウェルスナビに劣っている
この点については、メリットのところでも触れましたが、THEOはウェルスナビよりも投資先が分散されています。それは、現時点で成績の悪い資産も多く抱えてしまう場合もあり、短期的にはTHEOの運用成績がウェルスナビに劣ることにつながります。
しかし、将来どんな世界になっているかは誰にもわかりません。投資先を分散させることは長期的にみると、個々の資産の値動きを小さくする効果があり、現在の運用実績がウェルスナビに劣っているからといって、将来もTHEOがウェルスナビに運用成績が劣るとは限らないのです。
THEO独自のデメリット②NISAが利用できない
ウェルスナビでは「おまかせNISA」という制度を利用して、運用益を非課税とすることができる機能がありますが、THEOにはこういった機能はありません。
しかし、これはTHEO独自のデメリットというより、投資一任型のロボアドバイザーでNISAに対応しているのはウェルスナビと楽天証券の2社だけで、ほとんどのサービスではNISAに対応していないのが実情です。NISAは確かにオトクな制度ですが、ロボアドバイザーサービスを選ぶ際は、コスト面や運用方針を重視すべきだと思いますので、NISAを重視して選択肢を2社に絞ってしまうのはあまりおススメしません。
THEO独自のデメリット③口座管理が面倒
私が思うTHEO最大のデメリットがこれです。
実はTEHOは資産運用業務は自社で行っているのですが、口座の管理業務はSMBC日興証券で行っているのです。つまり、利用者はTHEOに登録する他にSMBC日興証券にも口座を持ち、それぞれの個人情報やパスワードを管理する必要があるのです。
私はSMBC日興証券を普段から使っているので問題ないのですが、THEOのためだけに口座を作るという方は、定期的なパスワード変更などが面倒ですし、普段使わない分重要なお知らせなどを見落としてしまうリスクもあります。
THEOを利用する際には、SMBC日興証券に口座を持つことを考慮して、月一回SMBCの口座にもアクセスするようにするなど、きちんと管理できるような体制にしましょう。
注意点
- ドルでの運用のため、為替の影響を受ける
- 短期的な運用益は見込めない
そのほかの注意点として、THEOの運用はドルでの運用であることと、短期的な運用には向いていないことは知っておくべきと思います。
実は、先ほど見せた管理人の運用実績は円建ての成績です。THEOは利用者が入金した円をドルにして投資を行っており、利用者が出金を行う場合は円で出金を行います。そのため、利用者にとっては円建ての成績が安定していることが一番大切ではあるのですが、その円建ての成績には運用の成果だけではなく、為替の影響が含まれていることを忘れてはいけません。
実際に、私の現在の運用実績をドル基準にしたものが下の図です。
先ほどの円基準の実績とは見え方がかなり変わりますね。コロナショック以降にも一度元本割れが発生している時期もあり、現時点の運用益もかなり少ない状態です。最近の円安の影響で、円基準の成績はだいぶ良く見えていたということですね。
THEOの幅広い分散投資は、値動きを安定させる効果があることは事実ですが、実際の運用通貨であるドル基準の運用成績と円基準の評価額には違いがあることを意識するのも大事です。
また、運用実績の初期を見るとわかるように、短期では運用益はほとんど上がっていません。THEOの運用方針は長期運用を基本としているため、短期的に資産を増やしたい方にはTHEOは向いていないことにも注意が必要です。
THEOの上手な活用方法
※これから書くTHEOの活用方法は、あくまで投資をこれから勉強して自分でも運用したい人向けです。仕事が忙しくて今後も自分で資産運用する気はない方は、そのままTHEOの利用を長期で継続するのが良いです。
THEOの一番のメリットは、毎月の積立のための入金設定だけすればあとは自動で資産運用が可能になる点です。つまり毎月1万円積み立てる資金があれば、経済について何も知らなくても、いつでも世界規模の王道の資産運用ができるのです。
ビジネスにおいて大切な考えとして「機会損失」という言葉があります。これは本来得られるはずの機会(利益)を失った損失のことです。資産運用の世界では王道が「長期・積立・分散」とあるように、時間の積み重ねが非常に重視される世界で、投資していなかった時間=機会損失なのです。そのため、投資初心者によくある「投資の勉強をきちんとしてから、実際に投資する」という考えは、それだけでかなりの機会損失なのです。
そういった意味で、THEOは自分ではまだ商品を選んで投資ができない初心者でも、とりあえずすぐに資産運用ができるツールです。ただし、手数料が自分で運用するよりも高いことは事実ですので、THEOで運用を続けながら、投資の勉強をしたり、少額でも自分で運用する経験を積んで、5年程度を目途に、自信がついたところでTHEOから、自分のスタイルで投資を行う体制に移行するのが一番効率的な方法だと思います。
THEOにはオトクなメリットがたくさん!長期運用を心がけよう!
今回の記事では、THEOの運用実績、メリット/デメリットについて書きました。
THEOの手数料は高いとよく言われますが、投資初心者や仕事が忙しい方にはその分のメリットがあるサービスだと思います。コストを抑えるために、忙しい仕事の合間の貴重な時間を投資管理に割いたり、実際に投資せずに勉強に時間を費やしてしまうのはそれこそ大きな機会損失です。
また、ウェルスナビに比べて短期の運用実績が劣る面はありますが、それは投資先をより分散させている影響もあるので、将来もTHEOがウェルスナビに運用成績が劣るとは限りません。
加えて、THEOには提携サービスが豊富で運用手数料が実質的にポイント還元されるなど、ウェルスナビよりコスト面で優秀な面もあり、不確かな運用益より今受け取れるポイントを重視する方にはTHEOがおススメです!
ただし、短期的に運用益を上げることはできないので、最低でも3年以上の中長期で運用することを念頭に、THEOを上手に活用しましょう!
今回は「【ウェルスナビよりもオトク⁉】THEOの運用実績・メリット/デメリットについて解説!」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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