【よく知らないインド株を紹介!②】HDFC銀行を解説!

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2023年には中国を抜き世界最多人口の国となるインドのこれからの成長に、今世界中の注目が集まっています。

日本でも、別記事で取り上げたようにインド関連の投資信託銘柄が新設されるなど、今後のインド投資が活発になることが予想されますが、そんなインドの経済を担う企業について皆さんはどの程度ご存知でしょうか?

私自身は正直、自動車で有名なタタ・グループぐらいしか聞いたことがなかったです。日本ではまだインド企業の製品でなじみ深いものは少ないので、おそらく他の人の多くも私と同じ程度の認識しかないのではないでしょうか?

そんな私を含めた皆さんに向けて、これからのインド経済を担っていく有力企業についてご紹介していこうとシリーズ企画を立ち上げました。

第二回は、インド初の民間金融機関として認可された「HDFC銀行」について解説いたします!

HDFC銀行の概要

企業名HDFC銀行(The Housing DevelopmentFinance Corporation Limitied)
業種金融
設立1994年
時価総額1,209億ドル(2023年6月時点
Nifty50指数組み入れ銘柄順位2位(2023年6月時点
HDFC銀行の概要

HDFC銀行は、1994年にインド準備銀行の一部を母体として、国内で始めて民間銀行として設立が許可された銀行で、インド国内に6,000以上の支店と15,000以上のATMなどの顧客サービス拠点を設置している巨大銀行です。時価総額は1,209億ドルと全業種で世界108位で、日本の三菱UFJ銀行の時価総額が845億ドルで162位であることを意識してもらえれば、その大きさが分かりやすいかもしれません。

HDFC銀行の特徴に触れる前に、少しインドの金融業界の状況について触れておきます。

現在経済成長に伴って、国民の所得が着実に増加しているインドですが、家計における金融資産の多くはいまだに銀行預金が占めています。イメージ的には、あくまで防犯のために銀行に貯金をしているといった銀行の利用方法が一般的で、一部の富裕層を除いてはローンや、投資のために銀行が利用されることはまだ少ないようで、今後個人向けの融資などのリテール事業は開拓余地が大きく、成長が見込まれる分野だと言われています。

また、インドの銀行業界では長年不良債権問題が懸念事項となっています。これは、2000年代初頭にインドをはじめとした新興国に注目が集まり、投資ブームが起こったことで、国内でも巨大建設プロジェクトが乱立し銀行貸し出しも拡大したのですが、行政手続きの問題や景気減速により中断になるプロジェクトが相次ぎ、貸し出しが焦げ付き不良債権化したことによるものでした。

この不良債権問題について、国営の銀行に対してはリスク管理やガバナンスなどの経営上の問題があったと批判されていたのに対し、民間銀行についてはそういった問題がなく、不良債権比率も低かったため、この問題をあまり引きずることなく、これからのインドの経済成長に民間銀行が大きく関わっていくことが期待されている状況です。

こういったインドの金融事情の中で、現在最も今後の成長が期待されているのが「HDFC銀行」なのです。

HDFC銀行の強み

HDFC銀行の強みは、預金残高の約8割を占めるといわれているリテール事業です。

先述したように、HDFC銀行はインド全土に6,000以上の支店と15,000以上のATMなどの顧客サービス拠点を設置しており、クレジットカードとリンクして簡単に送金・支払いできるPayZappと呼ばれる最先端の金融テクノロジーを用いたサービスなども展開しており、そういった個人向けの革新的なサービスを提供することで預金量を過去10年間で約6倍にした実績がある急成長中の銀行です。

こうした預金者の増加が今後、経済成長で個人の消費が活発になることにより、ローン貸出量の増加や個人向け投資商品の販売につながることが期待されており、手数料収入の増加でさらに経営効率が良い銀行になることが予想されます。

もちろん、経済成長ばかりを追いかけて無理な貸し付けをして不良債権を発生させてしまっては意味がありませんが、HDFC銀行では過去の不良債権問題の経験や、最先端のテクノロジーの活用により、リスクやコスト管理を徹底しているそうで、健全性・収益性ともに優れた銀行であると評価されているので、今後のインド金融界の先頭に立つ銀行として期待できると思います!

HDFC銀行はインド国民の所得向上とともに成長する企業!

今回は、よく知らないインド株を紹介シリーズの第二回目として、HDFC銀行について紹介しました。

HDFC銀行はインド初の民間金融機関で、インド全土に6,000以上の支店と15,000以上のATMなどの顧客サービス拠点を設置している巨大銀行です。ただ、インドの金融事情として、現在はまだ国民の金融資産の多くは銀行預金であり、ローンや投資などの利用率は低い状態であり、今後インドの経済成長による国民の所得向上によって、HDFC銀行は今よりもさらに成長することが期待されている銀行でもあります。

インドという国の最大の強みは、世界一位の人口の多さです。そして、その一人一人が稼いだお金を預ける銀行の規模は自然と巨大になるため、銀行預金だけ利用している顧客が多いにもかかわらず、HDFC銀行は時価総額ですでに日本の三菱UFJ銀行を抜いています。この巨大な預金が今後投資に向かうことを考えると、バブル時代に日本の金融機関が世界の時価総額ランキングを総なめにしたあの時のインド版がこれから起きるかもしれません。そうなればHDFC銀行はきっと、そのランキングの最上位に位置している銀行でしょう。

今回は「【よく知らないインド株を紹介!②】HDFC銀行を解説!」について書きました。

記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。

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