【よく知らないインド株を紹介!⑤】ラーセン&トゥブロを解説!

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2023年には中国を抜き世界最多人口の国となるインドのこれからの成長に、今世界中の注目が集まっています。

日本でも、別記事で取り上げたようにインド関連の投資信託銘柄が新設されるなど、今後のインド投資が活発になることが予想されますが、そんなインドの経済を担う企業について皆さんはどの程度ご存知でしょうか?

私自身は正直、自動車で有名なタタ・グループぐらいしか聞いたことがなかったです。日本ではまだインド企業の製品でなじみ深いものは少ないので、おそらく他の人の多くも私と同じ程度の認識しかないのではないでしょうか?

そんな私を含めた皆さんに向けて、これからのインド経済を担っていく有力企業についてご紹介していこうとシリーズ企画を立ち上げました。

第五回は、インドの建設系コングロマリット企業「ラーセン&トゥブロ」について解説いたします!

ラーセン&トゥブロの概要

企業名ラーセン&トゥブロ
業種建設
設立1938年
時価総額294億ドル(2023年6月時点
Nifty50指数組み入れ銘柄順位9位(2023年6月時点
ラーセン&トゥブロの概要

ラーセン&トゥブロは、デンマーク人技術者のヘニング・ホルク=ラーセンとソーレン・クリスティアン・トウブロが1938年に設立した企業で、祖業は建設業ですが、現在は電力、石油・ガス、重工業、IT、金融、不動産など多角的な事業を展開しているコングロマリット企業になります。

特に建設、電子工学、エンジニアリング事業は、ラーセン&トゥブロのコア事業となっており、売上のほとんどがこの3事業から生み出されています。

ここで現在のインドのインフラ投資状況について触れておきます。

インドの現在の首相であるモディ首相は、2021年2月に発表した2021年度国家予算案で新型コロナウイルスの感染拡大によって悪化した景気を浮揚させるため、設備投資を前年度比34%増とするなど、財政支出を拡大してインフラ投資に一層注力することを発表しています。

また、インフラ整備はモディ政権の掲げる「メイク・イン・インディア」を実現するための重要な政策であり、今後もインフラ投資を強力に推進することが期待されています。具体的には、インド政府は2024/25年度中に名目GDPを5兆ドルとするために、インフラセクターに合計で約1.4兆ドルもの金額を投資することが明言されており、ラーセン&トゥブロは、インドのインフラセクターの中心企業として、この莫大な資金を元に大きく成長することが予想されています。

ラーセン&トゥブロの強み

ラーセン&トゥブロの強みは、これまでインド政府と共同で多くのインフラ事業を行ってきた信頼と実績が豊富であることです

特にインド第2位の規模の地下鉄網である「ハイデラバード地下鉄」は、近年のラーセン&トゥブロがインド政府と共同で行ったプロジェクトの中でも最大規模のもので、総事業費は約3,000億円と、世界的にみても大規模な官民連携事業でした。ハイデラバードはアマゾンやアップル、グーグルといった多国籍外資企業がオフィス拠点開設を行い、急成長を遂げているインド政府も注力している重要な街で、ハイデラバード地下鉄の開通が街の道路混雑の解消に大きく貢献したことで、ラーセン&トゥブロはインド政府から大きな信頼を得ることになったのです。

また、ラーセン&トゥブロはインド軍向けの防衛装備品も多数納入しており、インド海軍およびインド沿岸警備隊向け艦艇の建造やインド初となる軽戦車を開発したりしています。こういったインド政府向けに多数の実績があるラーセン&トゥブロは、先述したインド政府のインフラ投資事業の発注先として最有力の候補となりやすく、インフラ投資事業の注力分野である道路、都市、鉄道、エネルギー、農業の5分野の多くで、案件を受注できるものと期待されています。

ラーセン&トゥブロは今後のインドのインフラ整備に欠かせない企業!

今回は、よく知らないインド株を紹介シリーズの第五回目として、ラーセン&トゥブロについて紹介しました。

ラーセン&トゥブロはもともと建設業の企業でしたが、現在は建設、電子工学、エンジニアリング事業を中心に、電力、石油・ガス、重工業、IT、金融、不動産など多角的な事業を展開しているコングロマリット企業になります。

ラーセン&トゥブロの強みはこれまでインド政府と共同で多くのインフラ事業を行ってきた信頼と実績が豊富であることで、近年でもハイデラバード地下鉄のプロジェクトなどでインド国内のインフラ整備に大きく貢献したり、防衛産業でも多数の納入実績があるなど、着実にインド政府からの信頼を獲得して業界内でも不動の地位を確立している企業です。

またインド政府は今後、国内のインフラ整備に莫大な投資を行う計画を表明しており、ラーセン&トゥブロにも多額の発注が行われ、大きく成長することが予想されています

建設系の企業はなかなか表舞台に現れることはありませんが、今後インドのインフラがどんどん整備されているニュースの多くの裏側にはラーセン&トゥブロがいることを意識してみると、インド経済をより深く理解することができるかもしれませんね!

今回は「【よく知らないインド株を紹介!⑤】ラーセン&トゥブロを解説!」について書きました。

記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。

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