【何パーセントが適切?】ポートフォリオ内のインド株の割合について

投資信託

2023年には中国を抜き世界最多人口の国となるインドのこれからの成長に、今世界中の注目が集まっています。

日本でも、別記事で取り上げたようにインド関連の投資信託銘柄が新設されるなど、今後のインド投資が活発になることが予想されており、インド関連の投資信託を買ってみようかなと考えている方も多いのではないでしょうか?

そんな時に気になるのが、「インド株はポートフォリオ全体の何パーセントぐらいが適切なんだろう」ということだと思います。

今回は、ポートフォリオの中のインド株の割合について取り上げようと思います。

インド株はリスキー?新興国として考えるべき?

インドは最近名目GDPが今やイギリスを抜き、世界第5位の経済大国になりました。こう見るとすでに新興国ではなく、先進国の一つとして考えてもいいと思われる方もいるかもしれませんが、まだまだ新興国の一つだと私は思っています。

というのも、インドでは貧困問題が昔から大きな課題となっており、この20年で低所得者層が減少して、中間層が増えてはいるのですが、依然として富の85%は人口の10%が保有しているといわれるほど経済格差が大きい国です。

特に都市部と農村部の経済格差は激しく、現在モディ首相が推し進めている国内のインフラ投資がこの経済格差を埋めるきっかけになることが期待されていますが、もしこのまま経済格差が長期化すれば貧困層の不満がたまり、暴動などの政情不安につながる可能性は十分にあり、インドはまだまだリスキーな新興国であり、投資には十分注意する必要がある国だと思います。

また、インド特有のリスクとしてパキスタンとの関係性は外せません。インドとパキスタンは歴史的に非常に関係が悪く、常に対立をしてきた2国です。両国ともに核保有国であるため、この2国の緊張関係は常に国際社会の懸念事項であり、経済大国を目指すインドにとっては最大のアキレス腱ともいえる問題なのです。

この印パ関係については、冷戦の時代にインドをソ連(ロシア)が、パキスタンをアメリカと中国が支援していたことで、現在のインドがアメリカや中国といった経済大国と全面的に協調できない状態を作る原因にもなっているのです

また、最近のロシアのウクライナ侵攻で、インドがロシアとも欧米とも一定の距離感を保っていたように、インドは今後もこの印パ関係を解決しない限り、国際政治の場で流動的な立場を継続する必要があり、それが海外からの投資を呼び込めない原因にもなっているのです

そのため、現在のインドの経済成長はインフラ投資などの内需が中心となって急成長している状態ですが、この需要が落ち着いた後、きちんと外国からの投資を呼び込めるかどうかは不透明だといえます。

もちろん、インドの巨大な人口から生み出される需要が今後のインド経済をさらに発展させることはほぼ間違いなく、今世界で最も成長が期待されている国であることは確かであり、投資対象として申し分ない国ではあるのですが、インドへの長期の投資を行う上では、国内の経済格差や国際関係などの大きな問題があることは覚えておいたほうがいいでしょう。

インド株は多くても10%以内の保有比率に抑えよう

では、インドをまだリスクの大きい新興国だと考えたとして、全体のポートフォリオのうち何パーセントほど保有するのがいいでしょうか?

ポートフォリオの比率については、想定する運用期間や運用年齢によって変わってきますが、私は誰であっても新興国株の保有比率は10%以内に収めておいたほうがいいかと思っています。

10%という基準は、eMAXIS Slim 全世界株式(いわゆるオルカン)の新興国の比率が現在約11%であることから来ています。ちなみにオルカンの新興国の約11%のうちトップが中国の3.5%、次にインドが1.7%と続いており、新興国の株はインドしか持たないならばインド株を10%、中国株とインド株に投資したいのであれば、両方合わせて10%となるように投資比率を考えていくのが良いと思います。

10%というと少ない気がしますが、急落時のリスクを考えた時に10%という数値は、暴落時の影響は小さくでき、値上がり時にはそれなりの成果を実感しやすい絶妙な比率だと思いますので、インド株に長期的に投資したいという方は10%を上限として保有比率を検討いただくことをおススメします!

インド株でポートフォリオに分散効果と成長性を持たせよう!

今回の記事では、インド株の保有比率について取り上げました。

インドは確かに世界一の人口を抱える、名目GDP世界第5位の経済大国ですが、その内情は国内の経済格差や国際関係などの課題を抱えた新興国の一つなのです。特に、国際関係についてはインド特有の事情があり、なかなか欧米や中国といった経済大国とも協調できず、海外からの投資も呼び込みにくい点は、長期的に大きな課題だと思います。

そのため、あくまでインドへの投資はリスクの大きい新興国への投資だと考えて、多くても全体の10%程度までの保有比率で抑えるのが最善だと思われます。

10%というと少ない気もしますが、米国株がほとんどを占めているポートフォリオの中で、10%インド株を保有すれば、高い分散効果が期待できますし、インドの経済成長率は約8%と素晴らしい結果を残しており、10%でもリスクに備えながら、インドの経済成長の恩恵を十分に享受することができるかと思います。

今回は「【何パーセントが適切?】ポートフォリオ内のインド株の割合について」について書きました。

記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。

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