【よく知らないインド株を紹介!①】リライアンス・インダストリーズを解説!

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2023年には中国を抜き世界最多人口の国となるインドのこれからの成長に、今世界中の注目が集まっています。

日本でも、別記事で取り上げたようにインド関連の投資信託銘柄が新設されるなど、今後のインド投資が活発になることが予想されますが、そんなインドの経済を担う企業について皆さんはどの程度ご存知でしょうか?

私自身は正直、自動車で有名なタタ・グループぐらいしか聞いたことがなかったです。日本ではまだインド企業の製品でなじみ深いものは少ないので、おそらく他の人の多くも私と同じ程度の認識しかないのではないでしょうか?

そんな私を含めた皆さんに向けて、これからのインド経済を担っていく有力企業についてご紹介していこうと今回からシリーズ企画を開始します。

第一回は、インドの最大のコングロマリット企業の「リライアンス・インダストリーズ」について解説いたします!

リライアンス・インダストリーズの概要

企業名リライアンス・インダストリーズ
業種石油・石炭製品
設立1966年
時価総額2,143億ドル(2022年12月時点
Nifty50指数組み入れ銘柄順位1位(2023年6月時点
リライアンス・インダストリーズの概要

リライアンス・インダストリーズは、インド3大財閥企業の一角を担う巨大コングロマリット企業であり、他の財閥企業に比べて、設立年が1966年とかなり若い企業です。時価総額は2,143億ドルと2022年12月時点で世界全体でも39位の巨大企業でもあります。(日本最大のトヨタ自動車は1,903億円で48位)

財閥企業ということもあり、株式公開は行っていますが経営は家族経営で行われており、現在は創業者のディルバイ・アンバニ氏の息子のムケシュ・アンバニ氏が会長と筆頭株主(保有比率48%)を務めています。

このムケシュ氏はフォーブスの世界長者番付で2022年に世界全体で10位かつ「アジア一の大富豪」に選ばれたほどのお金持ちで、ムンバイの一等地の地上約170mもある自宅に住んでいるそうです(タワマンを一軒家感覚で使用している感じですかね・・・規模がデカすぎて想像できませんが・・・)

とにかく、そんなムケシュ氏の莫大な財力を支えているのが、リライアンス・インダストリーズの幅広い事業であり、インド民間部門最大規模の同社がインド経済に与える影響は莫大なため、インドを代表する株価指数の1つであるNifty50指数の組入れ銘柄の中でも1位となっており、インド経済に投資するならば外せない最重要企業の一つであるといえます。

では、リライアンス・インダストリーズの歴史についても見てみましょう。今でこそ、様々な事業を抱える複合企業となった同社ですが、もともとは日用品や繊維の取引、輸出を行う事業から始まった企業でした。当時外貨獲得のために繊維輸出を奨励していた政府に、自社の輸出実績をアピールすることで同社は政府との結びつけを強めていき、政府から次々とライセンスを獲得することで繊維事業を拡大させていきました。

その後は、国内の経済成長に合わせて化学繊維から石油製品の製造などにシフトしていき、今ではインド国内最大級の原油処理規模を有しています。少し前に話題になった、インドがウクライナ侵攻で安くなったロシア産原油を買っていたというニュースにも大きく関わっており、安い原油を仕入れたことで、2022年のリライアンス・インダストリーズの決算は大幅増益となったようです。

リライアンス・インダストリーズの強み

リライアンス・インダストリーズの強みは、何といってもその事業分野の幅広さでしょう。

現在の中核の事業は「石油・石炭製品」分野になるのですが、小売や通信、バイオテクノロジーなどの分野にも進出しており、特に通信では傘下の「ジオ・プラットフォームズ」社がインド国内最大の通信事業者となっており、なんと加入者は約4億人にもなるそうです。

このビッグマーケットを狙って、既にグーグルやフェイスブックが出資や共同開発のプロジェクトを立ち上げており、現在はメタバースなどの最先端分野への投資も行っているようです。このように、たとえ中核事業の石油・石炭製品の業績が悪くとも、通信分野などの安定した収益があることで、経営基盤を盤石に出来る点は同社の強みであるといえます。

また、昨今の環境問題に対して、これまでの石油・石炭事業をシフトする動きを見せており、最近では再生可能エネルギーを推進する政府の事業に総額約9兆円を投じるというニュースもありました。

新規事業に総額9兆円の投資というのは桁違いのスケールですが、こういった大胆な投資ができるのも様々な事業分野から生み出される収益源を多数確保できているからであり、これからもリライアンス・インダストリーズはインド経済のトップランナーとしてさらなる事業分野の拡大を行っていくことが予想されますので、今後も目が離せない企業だといえるでしょう

これからもリライアンス・インダストリーズから目が離せない!

今回は、よく知らないインド株を紹介シリーズの第1回目として、リライアンス・インダストリーズについて紹介しました。

リライアンス・インダストリーズはインド民間部門の最大規模の企業で、その事業分野は中核事業の石油・石炭製品を始めとして、小売、通信、バイオテクノロジーなど多岐にわたり、そのさまざまな事業分野から生み出される収益が、新規分野への大胆な投資に使われることで、今もさらなる事業拡大を続けている大注目の企業です。

日本では戦後に財閥解体が行われたため、なかなかこういった巨大複合企業になじみがなく、その規模感がイメージしにくいかと思いますが、リライアンス・インダストリーズはすでに時価総額39位の巨大企業で、日本一のトヨタ自動車よりも大きな企業なのですが、実はインドの経済成長に伴って今後さらに企業規模が増加することが予測されている成長途中の企業なのです。

そのため、インド株に投資するつもりがない方でも、今後この名前を目にすることは何度もあると思われますので、この機会にインド株についても少し知っていただくのも良いと思います。また、インド株投資に興味があるという方には、リライアンス・インダストリーズはマストでチェックすべき企業ですので、今後の動向から目を離さないようにしましょう!

今回は「【よく知らないインド株を紹介!①】リライアンス・インダストリーズを解説!」について書きました。

記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。

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