【知ってるようで知らない!】日経平均株価とTOPIXについて解説!

投資のアレコレ

株についてよく知らない人でも、「日経平均株価」と「TOPIX」という単語は必ず聞いたことがあるはずです。なぜなら、この二つの指標はどんな時間のどの局のニュースでも、天気予報や鉄道情報と同じように必ず毎日取り上げられるものだからです。

しかし、あまりに普段の生活に当たり前に存在している指標のため、「日経平均株価」と「TOPIX」について、定義をきちんと把握されている方は少ないのではないでしょうか?

今回は、日本経済の代表的指標である日経平均株価とTOPIXについて解説していきます。

日経平均株価とは?

日経平均株価は、東京証券取引所プライム市場銘柄のうち、代表的な225銘柄を対象とした株価指数になります。選ばれる銘柄数から「日経225」と呼ばれることもあります。

採用業種に関しては、偏りが出ないように各業界から満遍なく採用されており、年1回構成銘柄の見直しも行われていますが、後述する算出方法の関係から各社が日経平均株価に持つ影響力には差があります。

現在のプライム市場上場会社数は1,835社(2023年5月19日時点)なので、日経平均株価は全体の1割程度の銘柄の動きを表すことになります。

日経平均株価の計算方法は採用銘柄の株価の合計金額を除数で割って算出されています。式にすると下のようになります。

日経平均株価=(株価1+株価2+・・・+株価225)÷除数

ここでいう除数とは銘柄入れ替えや株式分割などを考慮して修正された数値のことで、必ずしも銘柄数(225銘柄)のことではなく、分子の株価も正確には本来の株価に「株価換算係数」をかけて算出した「採用株価」を足し合わせて算出されるものなのですが、「225銘柄の株価を単純に足し合わせて225で割った単純平均額=日経平均株価」という理解でも問題はないと思います。

さて、日経平均株価が225銘柄の単純平均だとすれば、分母は225で固定なので当然分子の株価が高い銘柄が与える影響力は大きくなります

日経平均株価でウェートの上位を占める構成銘柄を見てみましょう。

銘柄名セクターウェート
ファーストリテイリング消費11.28%
東京エレクトロン技術5.46%
ソフトバンクグループ技術3.59%
KDDI技術2.99%
ダイキン工業資本財・その他2.89%
ファナック技術2.69%
アドバンテスト技術2.48%
信越化学工業素材2.27%
テルモ技術1.91%
京セラ技術1.67%
日経平均プロファイルのHPのファクトシートより作成

日本を代表する銘柄が並びましたね。225銘柄のうちトップ10社(上位4%)だけで、全体の37%のウェートを占めていることになります。

そのため、ほとんどの構成銘柄の株価が下落していても、ウェートの高い一部の銘柄の株価が上昇していれば、日経平均株価はプラスになるケースもあり、日本の実体経済や株式市場全体の動向が必ずしも反映されているわけではない点には注意が必要です。

また、トップ10のセクターが技術セクターばかりに偏っている点も注意が必要です。日経平均は先述したように各業界から満遍なく銘柄を採用しておりますが、技術セクターのウェートが大きいので、それ以外のセクターの動向はきちんと反映されない場合があります

TOPIXとは?

TOPIXは「Tokyo Stock Price Index」の略称で、別名「東証株価指数」と呼ばれ、プライム市場に上場している流通株式時価総額100億円以上の銘柄の時価総額の合計で算出される株価指数となります。

実は、プライム市場がまだ東証一部だったころは、TOPIXの構成銘柄は東証一部上場企業のほぼすべてを網羅していたのですが、プライム市場への移行に伴い、TOPIXの基準も見直され、構成銘柄の流通株式時価総額が100億円以上という新たな条件が追加されました。

この見直しは2022年10月~2025年1月の期間で段階的に実施される予定ですが、そもそもプライム市場への上場基準が「流通株式時価総額100億円以上」となっており、2026年以降時価総額の基準を満たせていない企業は上場廃止となる予定なので、2025年以降もTOPIXの構成銘柄はプライム上場企業のほぼすべてを網羅することができるといえます。

上記のようにTOPIXは市場全体の銘柄を網羅しているため、225銘柄で構成される日経平均株価に比べて、より日本株市場の動向の動きを反映している指数となります。

それでは、TOPIXの算出方法についても見てみましょう。

TOPIXは1968(昭和43)年1月4日の時価総額(8兆6,020億5,695万1,154円)を100として、毎日のプライム市場の対象銘柄の時価総額の合計の数値を算出しています。式にすると下のようになります。

TOPIX=(算出時の指数用時価総額÷基準時価総額(8兆6,020億5,695万1,154円))×100

ちなみに分子に入る時価総額とは、単純に発行株式数に株価を掛けたものではなく、発行株式全体の中で、市場で流通している「浮動株」のみを対象として算出されています。(TOPIXは市場の動きを表す指数のため

さて、先ほど日経平均に比べて日本株市場の動向をより反映しているといったTOPIXですが、算出方法を見ればわかるように、分子の時価総額の大きい企業の影響を受けやすいという点には注意が必要です。

それでは、影響力が強い時価総額ランキングトップ10の企業を見てみましょう。

順位銘柄名業種
1トヨタ自動車輸送用機器
2キーエンス電気機器
3ソニーグループ電気機器
4日本電信電話情報・通信
5三菱UFJフィナンシャルグループ銀行業
6ファーストリテイリング小売業
7KDDI情報・通信
8オリエンタルランドサービス業
9第一三共医薬品
10東京エレクトロン電気機器
2023年5月25日時点時価総額ランキング

ファーストリテイリングKDDI東京エレクトロンなど日経平均の構成銘柄にもあった銘柄がいくつかありますね。これらの銘柄は日経平均、TOPIX両方に大きな影響力を持っており、全投資家からの注目度が高い銘柄だといえます。

それ以外の注目点としては、日経平均の構成銘柄に比べて、TOPIXはより内需寄り、インフラや銀行など国内向けの安定した業種が多くあることが分かります。

このように指数ごとの特徴や構成銘柄を押さえておけば、日経平均やTOPIXに連動するインデックスファンドに投資する際も、どの企業の動向に注目すればいいのかなどが明確になるので、今後構成銘柄の入れ替えなどのニュースにもアンテナを伸ばしていただくことをおススメします!

日経平均とTOPIXの違いを理解して、日々のニュースを見てみよう!

今回の記事では、日経平均株価とTOPIXのそれぞれの特徴について解説しました。

選ばれた225銘柄の中でも、技術セクターの影響を大きく受ける日経平均株価と、プライム市場全体の中でも、時価総額の大きな企業の影響を受けやすいTOPIXという違いはありますが、どちらの構成銘柄にも含まれる、いわば日本株市場の最重要銘柄があることも分かりました。

これらの重要銘柄の日々の動向については、たとえ日経平均やTOPIX連動のインデックスファンドに投資していない方でも注目するべきでしょう。

そして、実際にこれらの指数に連動するインデックスファンドに現在投資している/投資を検討している方は、単にニュース番組で指数の動きを見るだけではなく、各指数に影響力のある個別銘柄の日々の動向にまで注目して投資を行っていただくことをおススメします!

今回は「【知ってるようで知らない!】日経平均とTOPIXについて解説!」について書きました。

記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。

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