毎年40万円が非課税となり、20年で合計800万円までの非課税枠が設けられているつみたてNISAは、通常の株式投資に比べて低リスクで、非課税のため利益も確保しやすいため、多くの方が利用している大人気の制度です。
このつみたてNISAについて、多くの方は利益を最大限得るために、毎月3万円程度つみたてを行って、年間の非課税枠40万円ぎりぎりまで使い切るような積立設定をされているかと思います。しかし、実はこの毎月の積立を申し込む日の設定によっては、せっかくの非課税枠が知らないうちにムダになっている!なんてことが起こりえるのです。
つみたてNISAを始めるときには銘柄選びや毎月の積立額ばかりに興味が行ってしまい、積立申込日なんてまったく気にされないことが多いと思います。かくいう私も、実はつみたてNISAを始めた1年目に、積立申込日をいい加減に設定したせいで、せっかくの非課税枠を10万円もムダにしてしたことがあります。
そのため今回は私の失敗談も踏まえて、つみたてNISAで損をしないような積立申込日の設定方法をご紹介いたします!
私の体験談 <給料日を積立日にして大失敗!>
私がつみたてNISAを始めたのは、会社に入社してから2年ほど経った頃でした。その頃には、すでに毎月の生活の収支のバランスが大体わかっていて、投資に回せる余裕資金も少しはあるような状態でしたので、つみたてNISAを始めました。
当時は、毎月の積立額を月2万円として12カ月つみたて、非課税枠40万に足りない16万円は、ボーナス月の6月と12月に半分の8万円ずつ追加で積み立てる設定にしようと思っていました。
ただ、その頃は積み立てる銘柄選びに必死で、銘柄と毎月の積立額以外の設定に関しては何も考えておらず、積立申込日もとりあえず給料日の毎月26日として、ボーナス月の追加積立も面倒だったので26日に合わせていました。
つみたてNISAは一度積立設定をしてしまえば、あとはほったらかしというパターンが多く、私も積立初月こそ証券会社のサイトまで確認しに行って、きちんと購入できているか確認したものですが、だんだんと確認が疎かになってしまいました。
そのままの状態でその年は終わり、翌年の1月に「去年のつみたてNISAの非課税枠を使い切れたか確認してみよう」と思い、証券会社のサイトを再び訪れたところ、なんと去年ではなく今年の非課税枠から12月に購入した10万円分が差し引かれていました・・・
びっくりして約定履歴を確認してみると、約定日が12月30日で年内だったので、最初私は何も問題ないじゃないかと思いました。しかし、その後ネットで検索をした結果、その時初めて、つみたてNISAの非課税枠が引かれる基準日が約定日ではなく、受渡日であることを知ったのです・・・
申込日・約定日・受渡日の違い
先ほどの私の体験談にあるように、つみたてNISAの非課税枠は「受渡日」を基準にして、利用状況が判断されます。そのため、年末の積立に関しては、受渡日が年内である必要があります。
それでは、そもそも「申込日」と「約定日」と「受渡日」は何が違うのでしょうか?それぞれの内容を見てみましょう。
- 申込日→投資信託の売買注文を出した日のこと。証券会社ごとの営業日の締切時間内に受付された注文については、注文日が申込日となり、締切時間以降の注文に関しては、翌営業日が申込日となる。
- 約定日→売買注文が成立した日のこと。投資信託では、投資対象が国内の銘柄は約定日が申込日と同日になるが、投資対象が国外の銘柄は原則申込日の翌日以降が約定日となる。
- 受渡日→約定した注文の代金決済が行われる日のこと。約定日から起算して2営業日後となる。
このように申込日→約定日→受渡日といった順番で注文の処理が進んでおり、つみたてNISAの非課税枠は一番最後の受渡日の実際の代金決済が行われるまでは、利用されたという判定がなされないのです。
私の例でいうと、私が選択していた銘柄は投資対象が国外でしたので、26日が申込日だとすると、約定日は翌営業日となり、受渡日はさらにそこから2営業日後となり、最短でも29日が受渡日ということになります。
金融機関の年末年始休業は基本的に12/30~1/3ですので、間に1日でも休日が挟まると受渡日は年明けになってしまうような積立設定を私はしてしまっていたんですね・・・
私のように給料日を毎月のつみたて申込日にされている方も多いかと思いますので、そういった方は年末のカレンダーをしっかりと確認されることをおススメします!
また、つみたて申込日を月の上旬、中旬に変更することもおススメです!私は毎年カレンダーを確認するのが面倒でしたので、つみたて申込日を月の中旬にすることで、非課税枠をきちんと使い切れるようになりました!
申込日が変わると運用成績は変わるのか?
さて、申込日を変更することで一番気になるのは、申込日の変更が運用成績にどう影響するかということですよね。
結論から言うと、申込日の違いは運用成績にほとんど影響しないです。
というか、スーパーのセールみたいに毎月この日は安く買えるという日があったら、みんなその日に申し込みするでしょうが、秒単位で変化している現代の経済市場では、どの日を選択しても毎月高値掴みの日もあれば、安く買い集めることができる日もあり、結果的にはドルコスト平均法により大体同じような平均取得金額に落ち着きます。
ただし、人の心理として区切りの良い日に設定したいという心理は少なからず存在すると思いますので、月初や月末、5の倍数の日などは避けた中途半端な日に申し込みを行ったほうが、高値掴みの可能性は少ないかもしれません。
特に、月初は機関投資家などが月初に買い入れを行うことが多いため、高値掴みのリスクが高まるので、避けたほうが無難だといえます。
大切なのは非課税枠を使い切ること!自分の設定を見直してみよう!
今回の記事では、つみたてNISAの積立申込日の注意点について解説しました。
つみたてNISAは、通常の株式投資に比べて低リスクで、非課税のため利益も確保しやすい素晴らしい制度です。だからこそ、利益を最大限得たいのであれば、貴重な非課税枠は必ず使い切らなければなりません。
今回ご紹介した私の失敗談は申込日にまで頭が回らなかった私のミスなのですが、給料日を申込日に設定している方は私以外にも多くいると思っているので、これまで申込日を気にしていなかった方は、これを機に申込日を見直していただき、私のようなミスを犯さないでほしいと思っています。
投資はどこまでも自己責任の世界です。近年はつみたてNISAのようなオトクな制度もたくさんありますが、利用する前に必ずその制度のことをきちんと予習しておかないと、自分が損をしてしまうこともあるということを肝に銘じておきましょう!
今回は「【非課税枠がムダになる!?】つみたてNISAの積立申込日の注意点について」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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