老後2,000万円問題が話題になってから、結構時間が経ちました。この話を聞いて、資産運用を始めた方も沢山いると思います。
確かに、これから先何が起こるかわかりませんし、働かなくなった老後でお金が足りないというのは恐ろしい話ですよね。
でも、本当に若いうちからずっと老後のためにお金を貯める必要はあるのでしょうか?
今回は相続という観点から、老後のお金について考えてみようと思います。
みんな結構余っている!相続額から見える老後資金について
本題に入る前に、まず私は将来に向けて貯金や資産運用することを素晴らしいことだと思っていますし、これからの時代は誰もが意識を向けるべきことだと考えています。(だからこそ、こういうブログをやってます)
ただ、今回の記事で書きたいのは、老後になれば意外とみんなお金を持っているので、若いうちは無理して貯金する必要はなく、それよりも好きなことにお金を使うべきではないかということなのです。
では、本題に入ります。
老後のお金について、2000万円問題の時にも散々「2000万というのはどういう基準で算出されたのか」とか「本当に必要な金額はいくらなのか」という疑問が行き交っていました。
この点については、それぞれの生活水準や、健康状態によって大きく金額が異なるものなので、国民全員が納得できる具体的な金額というのは算出できないというのが正直なところでしょう。
ですが、老後の前に必要な金額は分からなくても、老後を終えた後の結果、つまり本人が死去するまでに、お金が足りていたのかどうかということは、相続された金額を確認すれば確認ができます。
ここで2020年MUFG資産形成研究所が行った「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査」を確認すると、相続した財産の平均値は3200万円という結果が出ており、この金額の時点で子供世代の老後2000万円問題が一気に解決できるほどの金額をみんな残して死去していることがわかります。(遺産をあてにしてはいけませんが・・・)
もちろんこれは平均値ですので、一部の超富裕層の相続金額が平均値を押し上げています。では中央値はいくらぐらいなのでしょうか?
同調査で発表されている中央値は1,600万円となっています。
この金額を多いと感じるかどうかは人それぞれですが、私はまぁまぁ残っているなと感じましたし、これだけの金額が残るなら若い頃にもっとお金使えるじゃん!とも思いました。
もちろん、子供がいる方にとっては、この程度の金額しか子供に残せないと感じる方もいるかもしれません。
しかし、今後少子高齢化が進む日本では子供が少ない以上、高齢者が持つ財産にどんどん課税が行われることは時間の問題だと私は思っていて、そうなると金銭や資産を次世代に引き継ぐという行為が必ずしも正しいこととは言えなくなるかもしれません。
むしろ、金銭や資産を残すことよりも、教育にお金をかけたり、興味の幅を広げるような体験にお金を使う方が良いという考えもあるのではないでしょうか?
要するに何が言いたいのかというと、2000万円問題と言っているが、みんな意外とお金を残して死んでしまっているので、ある程度は生きてる間にお金を使って好きなことしても良いんじゃない?ということなのです。
老後の生活資金のため以外にもお金を使おう!
では、具体的にはどのくらいまでならお金を使っても良いのでしょうか?
今回取り上げた調査では、遺産額の中央値が1,600万円でしたので、長生きすることを考慮してもこの2割ぐらいの300万円くらいまでは生きること以外に使っても良いんじゃないかと思っています。
たった300万かと思われる方もいると思いますが、300万円あると意外といろんなことができるのです。
下記にあげたのは300万円で出来ることの一覧です。どうですか?意外に出来ることが多いと思いませんか?
- 1年間の世界一周旅行
- 世界一周クルージング(100日程度)
- ディズニーランドの一部施設貸切(パーク・ファン・パーティーというみたいです)
- 地方の中古の戸建を買って別荘にする
- 美容整形
- 起業する
これらは一気にお金を使うことを想定していますが、もちろん趣味にかかる毎月の出費に使ったり、ちょっと良いものを少しずつ買い揃えるなんていうのも楽しいと思います。
月1万円のちょっとした贅沢なら20年以上楽しむことが出来ると考えれば、300万円という金額の価値が分かりやすくなるかもしれませんね。
とにかく、老後の生活資金のことばかりを意識せずに、きっと貯金は余るだろうと考えて、時にはお金を楽しく使うことも人生を豊かにする上でとても大切なことだと思います。
貯金は大切!でも今やりたいことには我慢せずにお金を使おう!
今回の記事では、相続額からみる老後資金準備の必要性について取り上げました。
老後2000万円問題で、老後の不安を抱えている方が沢山いると思いますが、今回取り上げた調査内容から多くの日本人は意外と多くのお金を最後まで残していることが分かりました。
もちろん、今時は長生きリスクがあるので、貯金は多いに越したことはないですが、貯金それ自体が目的にならないように、時には今の自分の好きなことやりたいことにお金を使うことも大切なんじゃないかと思います。
今回は「【そんなに必要?】相続額から考える老後資金準備の必要性について!」について書きました。
コメント