5月に日経平均株価が1年8か月ぶりに終値で3万円を回復し、最近では3万3千円を突破するなど、最近の株価の急上昇を受けて、皆さんの保有銘柄の多くもプラスの運用益が出ているのではないでしょうか?
ただこうなると、「景気の良いときに利確しといたほうが安全じゃないかな」と考え始める方もいるのではないでしょうか?実際、私も今回の急上昇を受けて、保有銘柄の運用状態を改めて総チェックし、利確しようかなと検討した銘柄が何個かありました。
ただ結論から言うと、私の保有している投資信託については、一つも利確せずに継続保有することを決めました。(個別株についてはいくつか利確しましたが)
今回は、私がなぜ投資信託を利確せずに継続保有としたのか、投資信託の売り時はいつにすべきなのかについて取り上げようと思います。
つみたてNISAやiDeCoの登場で、多くの方が投資信託の積立投資を行われていると思います。積立投資は、どうしても最初の商品選びや積立を開始するタイミングばかりに注目がいってしまいますが、実は買う時よりも売却するときのほうが悩むことが多いです。すでに積立投資を行われている方はぜひ、今回の記事の内容を参考にして、今後の売却タイミングについて検討してみてください。
今回の株高でも、投資信託を利確しなかった理由
現在私はiDeCoとつみたてNISAと通常の課税口座の3つで投資信託の積立投資を行っていますが、先述した通り、いずれの保有銘柄も利確しませんでした。
今回私が利確を見送った理由は大きく分けて3つあります。
①現金が必要なイベントが直近にないから
②保有銘柄のテーマに対して大きな変化がなかったから
③利確した資金を回す新たな投資先がなかった
一つずつ解説していきます。
①現金が必要なイベントが直近にないから
私が資産運用をしている一番の理由は、自分の生活に必要な資金を作るためです。
ですので、もし直近1~2年で大きなお金が必要なライフイベントがあれば、今回の株高の時に一部の投資信託を利確して、準備資金にしておいても良かったのかもしれませんが、そういったライフイベントの予定はありませんし、急にできたとしても投資に回していない貯金で対応できると判断したので、今回は利確しませんでした。
②保有銘柄のテーマに対して大きな変化がなかったから
現在私が保有している銘柄は、全世界株式のほかにNASDAQなど特定の市場の長期的な成長をテーマとしている銘柄が多く、今回の株高がもしこれらの市場の長期的な成長に対して大きな影響を与えるものであれば、運用方針の転換として利確する可能性もありました。
しかし、私の考えでは今回の株高はそれほどの影響力を持つものではないと判断したため、利確をしませんでした。
③利確した資金を回す新たな投資先がなかった
今回の株高で利確をしたとして、現金として戻ってくる資金を次にどうするのか、その候補がなかったことも、今回利確を見送った理由の一つです。
もし、現在の保有銘柄よりも魅力的な銘柄を見つけられれば、株高であろうとなかろうと、すぐに保有銘柄を売却してそちらに乗り換えて長期運用を行うべきなのですが、私は現在の保有銘柄の成績に満足しているので、今回保有銘柄の売却はしませんでした。
また、他の候補がなかったとしても、現在の保有銘柄を株高の時に売却して、下がった段階で買い戻せばいいという考えも中にはあるかもしれませんが、私に関して言えば、そもそもそういう市場の予測ができないから積立投資という愚直な方法を始めたのであり、値下がり時期を待って、投資をしていない時期が長期化するほうが損失が大きいと考えたため、株高であろうと売却することはやめました。
投資信託の売り時はいつなのか?
それでは、投資信託の売り時はいつなのでしょうか?
それは実にシンプルで、前述した私が利確を見送った3つの理由を逆にした事象が発生したときです。
つまり・・・
①現金が必要なイベントが直近にあるとき
②保有銘柄のテーマに対して大きな変化があるとき
③利確した資金を回す魅力的な投資先が見つかった時
上記の3つのうち1つでも発生したと判断したならば、株高であろうとなかろうとすぐに売却を検討すべきです。
私の考えでは、基本的に投資信託とはそれぞれの銘柄に設定されたテーマに沿って長期的に運用するものであり、短期的な株高の影響などは、直近で現金化が必要な場合を除き、考慮しなくていいと思っています。また、そういった短期的な運用を行いたいのであれば、様々な個別株の集合体である投資信託ではなく、個別株に投資を行ったほうがシンプルで売却判断もしやすいとも思っています。
だからこそ、現金が必要な場合を除いて、投資信託を売るべき時は、そもそもの投資信託のテーマに対して重要な変化があった時か、そのテーマ以上に魅力的な銘柄を見つけた時の2択のみで、言ってしまえば、現金化が必要なく、そのテーマがずっと魅力的であるならば、その銘柄を一生売却をせず保有し続けてもいいのです。
悩んだ時こそ、基本の運用プランに立ち返ろう!
今回の記事では、投資信託の売却タイミングについて取り上げました。
今回のような株高で保有銘柄にプラスの運用益が発生すると、そのあとの値下がりが怖くなって、売却を検討してしまうことが多いですが、そんな時はその銘柄を選んだ時のプランに立ち返ってみましょう。
きっと、銘柄を選んだときは短期的な値上がりではなく、長期的にその銘柄のテーマが成長すると見込んで投資判断をしたはずです。そうであるならば、売却するかどうかの判断基準は、そのテーマが今の自分から見て今後も魅力的かどうかだけで、直近の価格など全く関係ないのです。(もちろん、直近で現金が必要な場合は価格も気にしたほうがいいでしょう)
もちろん、理屈では売却しなくてもいいことがわかっていても、値下がりが怖い気持ちは変わらないでしょうが、その怖さに耐えるのも投資家の仕事の一つなのです。値下がりが怖くなったら、「でも安く買えるチャンスでもある」と考えたり、いっそしばらくチャートを確認せず、投資以外の別のことに取り組んでみるのも手かもしれません。
今回は「【今は売らないほうがいい?】買うよりも難しい投資信託の売却タイミングについて」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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