最近では動画系のサービスを中心に、様々なサブスクサービスが展開されており、今年のお盆休みでも映画やドラマ、アニメなどの一気見を楽しんだ方も多いのではないでしょうか?
しかし、最近アマゾンプライムの会員費の値上げを行うと発表し、利用者からは驚きと不満の声が上がっていますね。かくいう私もアマゾンプライムを利用しているので、今回の値上げのニュースには少々不満があります。
ただ、実はアマゾンプライムだけではなく、他の多くのサブスクサービスが最近こぞって値上げを行っています。今回は、我々の生活の一部となり始めているサブスクサービスの今後について考えてみようと思います。
今回のアマゾンプライムの値上げの理由は?
では、まず今回大きなニュースになったアマゾンプライムの値上げの内容について見てみましょう。
そもそも、アマゾンプライムというのは、年会費を払ってプライム会員になることで以下のような特典を受けられるサービスのことです。
- 配送料無料(一部地域除く)
- 映画、ドラマ 動画見放題
- 音楽聴き放題
- 写真の保存無制限 など
一番有名なところだと、prime videoなどでは映画ドラマが見放題で、かつprime videoのオリジナルのコンテンツも楽しめるのが売りになっています。
これまでのプライム会員の年会費は4,900円だったのですが、今回の値上げで5,900円と1,000円の値上げとなることが発表されました。
値上げの主な理由は正式には発表されておりませんが、22年2月にアメリカで会員費を値上げした時には、値上げの理由として「人件費、輸送コストなどの上昇を補うため」としていたそうなので、日本の値上げの主な理由も、特典の一つである「配送料無料」にかかわる輸送コストの上昇を反映したというところが一番大きそうです。
輸送コスト増大による値上げというのは確かに理屈が通っていると思いますが、では輸送コストや人件費があまりかからない動画主体のサービスの値上げはなぜ行われるのでしょうか?
サブスクサービスの料金改定は当たり前!?
サブスクサービスはまだ日本で普及してから日が浅いため、勘違いされることが多いのですが、基本的にサブスクサービスというものは、利用している途中で料金改定が頻繁に行われることが当たり前なのです。
というのも、サブスクサービスというビジネスは非常にシンプルな構造で、会員数×年会費で年間のおおよその売上が推測できるようになっています。
そのため、サブスクサービスで売上を伸ばそうとしたら、会員数を増やすか単価を上げるかしかなく、会員数が一定程度集まったら、あとは会員が大きく減らない程度に料金改定を繰り返して単価を上げていく流れになっているのです。
つまりこれまでは、サブスクサービスというものに馴染みのない日本で会員数を増やすために、会員費を安くしていたというだけであり、サブスクサービスが定着した日本では、これから収益化のために様々なサービスが値上がりすることが予測されます。(ただ、今回のプライム会員費の値上げに関しては、収益化ではなく本当に運送コストの上昇というやむを得ない事情があったという面もあると思います。)
実際に収益化に向けてすでに大きく舵を切ったサービスの代表として、スポーツ映像配信の「DAZN」があります。
DAZNの月額料金は、2022年まで1,925円だったのですが、2年連続で大幅な値上げを行い、現在ではなんと3,700円と2倍近い金額まで値上げを行ったのです。
これについてDAZN側は、2017年のDAZN日本上陸からの5年間を「投資フェーズ」とすると、2022年以降は「収益化フェーズ」に移行したためとしており、今後はユーザー獲得から収益化に重きを置いて運営する体制になるとしています。
こうなってくると気になるのがDAZNの会員の解約ですが、実は値上げを行った後の解約数は運営側の想定よりも少なかったということで、2年連続で強気の値上げを行ったようです。
料金が倍になっても解約できないぐらい、普段の生活の深いところに根差しているというのがサブスクサービスのちょっと怖いところですね(笑)
DAZNに比べると、今回のアマゾンプライムの値上げはかなり小さなもので、まだアマゾンプライムについては「投資フェーズ」の段階にあると思われます。
実際、日本のプライム会員の料金は値上げされたとはいえ、アメリカの139ドルに比べればほぼ半分であり、日本のプライム会員はかなり優遇されていることが分かります。
そのため、今後日本のアマゾンプライムが「収益化フェーズ」に入った場合には、アメリカの会員費並みまで値上げされる可能性があることをきちんと理解しておく必要があると思います。
サブスクサービスの値上げは続く!続けるサービスは厳選しよう!
今回の記事では、アマゾンプライムをはじめとするサブスクサービスについて取り上げました。
サブスクサービスのビジネスモデルは、会員数×年会費が基本のため、会員数が十分に獲得できたサービスは、単価を上げる方向にチェンジしていくのが当然の流れになっているので、物価高などの外部の影響などに関係なく、今後も頻繁に料金体系が見直されたり、値上げが行われることが予測されます。
とはいえ、実際に「収益化フェーズ」に舵を切ったサブスクサービスはまだ少数派で、現在のところは各サービスで会員の奪い合いを行っていることのほうが多いと思われます。
ただし、会員を増やすために「〇か月無料!!」といったキャンペーンに釣られていろんなサービスの会員になってしまうと、将来「収益化フェーズ」が訪れた際に大変な思いをすることになるので、今後値上がりする可能性を想定したうえで、それでも続けたいと思えるサービスを厳選することが、これからのサブスクサービスを利用するうえでとても大切なことになるかと思います。
今回は「【値上げは続く!?】アマゾンプライムの値上げから考えるサブスクサービスの今後!」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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